
腸は「第二の脳」と呼ばれる重要な臓器
私たちは食事から栄養を吸収し、不要なものを排泄することで生命を維持しています。消化・吸収・排泄を担うのが腸(小腸と大腸)です。
小腸には約1 億個の神経細胞が存在し、脳とほとんど連携せずに胃や肝臓などへ直接指令を送ります。腸が「第二の脳」と言われるゆえんです。いっぽうで大腸は脳と密接に関係しており、ストレスの影響を受けやすく、緊張でお腹が痛くなるのはこのためです。
セロトニンの95%は腸で作られている
アメリカの生理学者マイケル・D・ガーションにより、感情をコントロールするホルモン「セロトニン」の95%が腸で作られていることが明らかになりました。腸が健康だと機嫌が良くなり、腸の不調はイライラやうつ症状を引き起こします。このように腸は精神状態にも大きな影響を及ぼしています。

腸内で敵と味方を見分ける
さらに、腸には体内の免疫細胞の約7割(小腸に2割、大腸に5割)が集まっています。腸内細菌と免疫細胞が連携しながら「敵」と「味方」を見分け、外から入ってきたウイルスや細菌にすばやく対応します。このことを「腸管免疫」と呼びます(図1)。
■「腸管免疫」のおもな担い手は小腸(図1)
小腸は、消化管(胃から肛門まで)の75%を占めています。小腸の粘膜には、パイエル板という特徴的なリンパ節があり、マクロファージをはじめリンパ球などの免疫細胞が集積しており、体に有害なものを監視・撃退しています。腸を健やかに保つこと、いわゆる『腸活』が健康を維持していくうえで最も重要なのです。

善玉菌の環境が大事
腸管免疫を整えるには、腸内細菌のバランス、とくに“善玉菌”が十分に働くことが重要です。善玉菌を増やすには、エサとなる食物繊維が欠かせません。また、植物や菌由来の酵素を取り入れることで、消化や発酵の流れが改善され、善玉菌が定着しやすい環境が整います。
栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-14 自然治癒力と腸』より















