
5つの基本的な働き
短鎖脂肪酸は、腸の中でさまざまな働きをこなしています。ここでは、基本となる5つの仕事を紹介しましょう。
① 腸のぜん動を促す
短鎖脂肪酸は腸の動きを活発にし、食べたものをスムーズに送り出します。その結果、便秘が改善され、お腹が軽くなるのです。
② 腸粘膜のエネルギー源
とくに酪酸は、大腸細胞にとって欠かせない燃料。これが足りないと腸の細胞は弱り、機能が落ちてしまいます。
③ 栄養の吸収をサポート
腸の細胞が元気であれば、ビタミンやミネラルなど大切な栄養素をきちんと吸収できます。短鎖脂肪酸は“吸収効率”を底上げする影の立役者です。

④ 腸内を弱酸性に保つ
腸の中を弱酸性に保つことで、悪玉菌が増えにくく、善玉菌が暮らしやすい環境になります。これは腸内フローラのバランスを整える重要な条件です。
⑤ バリア機能を高め、腸漏れを防ぐ
腸の壁には“タイトジャンクション”と呼ばれる関所があります。短鎖脂肪酸はこれを強化し、未消化物や毒素が血液に漏れ出す「腸漏れ(リーキーガット)」を防ぎます。腸漏れは炎症やアレルギー、生活習慣病の原因にもなるため、ここを守るのはとても重要です。
この5つの働きがそろうと、短鎖脂肪酸はさらに増え、まさに「好循環」が回り始めるのです。
栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-13 腸内細菌がみんな元気に!短鎖脂肪酸を育てよう』より





