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栄養書庫 NUTRIENT LIBRARY

脳を活性酸素から守るアスタキサンチン

ヒトの脳

酸素とエネルギーの消費が多い脳

脳はヒトの体のなかで最も多くの酸素を必要とする器官で、呼吸の際に吸い込む酸素の30~50%を消費しています。

また脳の重さは体重の2%程度にもかかわらず、そのエネルギー消費量は全体の20%近くを占め、酸素とエネルギーの消費が多い脳では絶えず大量の活性酸素が発生していると考えられています。この活性酸素が、脳梗塞や脳出血といった脳疾患の発症にも深く関与しているといわれているのです。

すべては血液脳関門で選別される

脳の健康を守るためには抗酸化が求められますが、脳は生命活動を維持するために最も重要な部分であり、またデリケートな器官であるため、その入り口には「血液脳関門」という関所のようなものが存在します。不要な物質はそこですべてはじかれ、必要な栄養素のみが選別されるのです。

アスタキサンチンイメージ

脳の関所を通過できるアスタキサンチン

そのシステムは非常に厳重で、抗酸化物質として有名なビタミンCやビタミンE、β-カロテンでさえ通ることはできません。
ところがアスタキサンチンは、他の抗酸化物質が通れない血液脳関門を通過することができる数少ない物質なのです。
関所の通行手形のみならず、強い抗酸化作用を持つアスタキサンチンは、酸化ストレスから脳を守り、脳の衰えを防ぐ効果や脳疾患の予防にも有意であると期待されています。

DHA過酸化の関与
出典:Liu XB,Shibata T,Hisaka S,Kawai Y,Osawa T.,J,Clin.Biochem.Nutr.43(1),26-33(2008)

神経細胞に対しDHAヒドロペルオキシド(DHA-OOH)がアラキドン酸とリノール酸のヒドロペルオキシドより強く細胞死を誘導。また DHA-OOH誘導した細胞死にはミトコンドリア経路を介したアポトーシスの関与が示唆された。

アスタキサンチンの制御効果
出典:Liu XB,Shibata T,Hisaka S,Osawa T.,Brain Res,1254,18-27(2009)

アスタキサンチンは DHA-OOHと 6-ヒドロキシドパミン(6-OHDA)により誘導された活性酸素種(ROS)の生成を抑制することが明らかとなった。

栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-23 アスタキサンチンの美容・健康力』より

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