
糖尿病と高血糖のしくみ
糖尿病は、インスリンの作用不足により高血糖の状態が続く、代表的な生活習慣病の一つです。自覚症状がないことも多く、網膜症や神経障害、腎臓疾患などの合併症のほか、動脈硬化、心臓病や脳卒中の関連も指摘されています。
合併症はなぜ起こる?
これまで糖尿病を発症すると、生活習慣の改善やインスリンを投与して、合併症を起こさないよう血糖値を保つ治療が行われてきました。糖尿病の合併症にはさまざまな要因が関わっています。その一つとして、高血糖によって糖化反応が進み、酸化ストレスが増加することが関与すると考えられています。
核酸と糖尿病研究の可能性
核酸は、酸化ストレスや細胞機能との関係について研究が進められており、インスリン分泌との関連についても検討されています。また、核酸医薬の分野では、糖尿病を対象とした新たな治療法の開発に向けた研究も進められています。

マイクロRNAを用いた糖尿病研究
2016年に東北大学が発表した研究では、2種類のマイクロRNAを血液に投与することで、インスリンの分泌に関わる膵臓のβ細胞を増殖させ、高血糖の改善が報告されました。(図1)。この研究は、糖尿病治療への応用が期待されており、関連技術は2020年に特許※として登録されています。
※特許番号6799861 核酸分子
※※なお、本章で紹介した核酸医薬の研究は、食品に含まれる核酸とは異なる医療技術の研究です。食品としての核酸に、同様の作用や効果を示すことを意味するものではありません。
■ マイクロRNA投与後の血糖値の変化(図1)
骨髄移植マウスを用いた研究では、β細胞の再生メカニズムとして、細胞外小胞を介する2種類のマイクロRNA(miRNA-106bとmiRNA-222)の伝達が重要な役割を担っていることを発見しました。この2種類のマイクロRNAを糖尿病マウスに静脈注射したところ、β細胞の増殖やインスリン分泌の回復が認められ、高血糖の改善が報告されました。

※※※本研究はマウスモデルで行われた研究です。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-34 核酸の秘密』より















