エストロゲンの減少によりバランスが崩れる
閉経の前後10年にあたる更年期は、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少によって脳と体のバランスが崩れ、心身両方に特有の不調が現れます。まったく自覚症状がない人から寝込む人まで個人差がありますが、「簡略更年期指数SMI」で51点以上の場合は要注意です。
SMIが51点以上の場合は、更年期・閉経外来において、カウンセリング、生活指導、薬物療法などの対象になります。
心身にやさしい代替療法
「植物性エストロゲン」とも呼ばれる大豆イソフラボンは、心身にやさしい代替療法として注目され、サプリメントを提供する医療機関も増えました。下記の図に示すとおり、更年期女性を対象とした臨床試験では、更年期指数がホルモン補充療法とほぼ同等に改善されたケースも認められています。
ホットフラッシュの緩和にも
例えば、ホットフラッシュは突然顔がほてって汗が出るような更年期の代表的な症状で、これもエストロゲン減少による自律神経失調症のひとつ。ホットフラッシュに悩む米国人女性が、麹菌発酵大豆イソフラボンを12週間摂取したところ、症状の頻度や程度が緩和したという研究報告もあります。
疲れやすくなるのは
エストロゲンを出すよう命令を出す脳とホルモンを分泌できない体のバランスが崩れると、脳と体が混乱を起こして疲れやすくなる場合があります。
イソフラボンと睡眠の関係
また、エストロゲンを司る脳の視床下部は交感神経と副交感神経を切り替える場でもあり、切り替えがうまくいかなくなると、緊張状態が続いて寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりすることも。下記に示すとおり、更年期症状を訴える患者がアグリコン型イソフラボン(20~40㎎/1日)を8週間摂取した結果、不眠のスコアが改善したというデータもあります。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-20 麴菌発酵大豆イソフラボンの秘密』より