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栄養書庫 NUTRIENT LIBRARY

核酸医療と脳機能低下防止

健康な長寿生活に不可欠なテーマ

日本の65歳以上の高齢化人口は2040年には35.3%になると予測されています※。高齢化に伴い平均寿命と健康寿命の差も広がり、その間の不健康な生活によるQOLの低下や医療費・介護費などの増加は大きな問題になっています。
健康寿命を伸ばすためには、疾病予防と介護予防がカギとなります。中でも脳機能の低下を防ぐことは、健康な長寿生活に不可欠なテーマです。

※令和 2年版厚生労働省白書「平成の30年間と2040年にかけての社会の変容」より

核酸と脳機能についての研究

近年、核酸の経口摂取による脳の増強・保護効果が報告されて、核酸が脳機能低下の予防に役立つのではないかと様々な研究が進められています。脳には情報伝達を行う神経細胞が1,000~2,000憶個存在し、その10~50倍のグリア細胞が神経細胞の働きを助けています。

核酸の有効な効果

マウスやラットによる研究では、神経変性疾患モデルにグアノシン、GMP、高分子DNA含有サケ白子抽出物を与えたところ、症状の改善が見られました(図1)。記憶学習などの脳機能は神経細胞とグリア細胞間の相互作用により、制御・調整されていることもわかってきました。

■ 核酸による脳疾患モデル改善効果(図1)

ドーパミン作動性神経細胞死を誘導したマウスに、高分子DNAを含むサケ白子抽出物を経口摂取した結果、パーキンソン病様行動の抑制、ドーパミン作動性神経細胞死の抑制、黒質内の活性酸素の減少が見られました。

脳疾患モデル改善効果
出典:加藤久典、加藤将夫編『核酸の分子栄養学』(株式会社エヌ・ティー・エス、2019年)6-3脳機能と核酸より引用

さらに、2019年には大阪大学大学院と東京医科歯科大学の共同研究によって、パーキンソン病の原因とされているαシヌクレインの蓄積を抑制する核酸医薬が開発されました(図2)。

■ αシヌクレインタンパク質の合成を抑制する核酸医薬(図2)

パーキンソン病は神経細胞にαシヌクレインタンパク質が蓄積することで発症すると考えられています。αシヌクレインをターゲットとする核酸医薬は、メッセンジャーRNA(mRNA)を断片化してタンパク質の合成を抑制することから、レヴィ―小体型認知症や多系統萎縮症認知症などの神経疾患への応用が期待されています。

αシヌクレインタンパク質の合成を抑制する核酸医薬
出典:Takuya Uehara et al.“Amido-bridged nucleic acid(AmNA)-modified antisense oligonucleotides targeting α-synuclein as a novel therapy for Parkinson’s disease”.Scentific Reports(2019)より改変

このように核酸は、脳疾患の予防や症状改善、記憶学習などに有効な効果をもたらし、さらに核酸医薬としての応用も期待されています。

栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-34 核酸の秘密』より

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