「第7の栄養素」の必要性
核酸は過去長い間ほとんど注目されていませんでした。そればかりか核酸は体内で他の栄養素から必要量を合成できるため、特に食物から摂る必要はないもの、摂りすぎると痛風の原因になるなどと考えられてきました。
ところが1976年にアメリカのベンジャミン・フランクが、自らの臨床経験によって核酸食の必要性を指摘したことから、多くの研究が行われるようになりました。そして、痛風の原因にもならないことが判明し、現在では「第7の栄養素」と呼ばれるまでに、その栄養素としての必要性が認められています。
核酸はデノボ合成とサルベージ合成で作られる
生命活動にはなくてはならない核酸は、私たちの体内ではデノボ合成とサルベージ合成という二つの方法で合成されています。デノボ合成は摂取したアミノ酸など原料にして、主に肝臓で作られます。サルベージ合成は食物などから摂取した核酸をそのまま分解・吸収したり、体内で分解されたヌクレオチドやヌクレオシドと再合成して小腸から吸収されます。
■体内で合成される核酸
生命活動に欠かせない核酸は、私たちの体内で作られています。主にタンパク質やアミノ酸などを原料に肝臓で作られるデノボ合成は、大量のエネルギーを必要とし時間もかかります。そこで肝臓以外の細胞で、体内で不要となった核酸や食べ物として摂った核酸を使って、核酸が作られるサルベージ合成が行われています。
体内で作られる核酸は加齢とともに減少する
肝臓の機能は20歳をピークに徐々に減退していくので、デノボ合成される核酸は年齢を重ねることで低下していくと考えられています。核酸が減少すると細胞分裂のリズムが遅れてしまい、さらに老化が進むという悪循環に陥ります。このため減少した核酸は、食べ物から摂取するサルベージ合成で補う必要が出てきます。
■核酸が多く含まれる食品
核酸を多く含んでいる食品として、海苔やサケの白子、ハマグリなどの海産物があげられますが、手に入る季節が限られていたり、大量に食べるのは難しいものがあります。
そのため効率的に摂り入れることができるサプリメントでの摂取が有効と言えます。
ところが核酸を多く含む食品は、カロリーが高く、コルステロールやプリン体も多く含まれています。さらに健康な体を維持するためには、核酸に含まれるDNA、RNA、塩基をバランスよく摂ることが重要になります。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-34 核酸の秘密』より