世界に広がったコーヒー文化
イスラム教徒によってヨーロッパに伝えられたコーヒー。当初こそ「地獄の黒い飲み物」として禁じられたものの、ローマ教皇庁がコーヒーを認めるとあっという間にヨーロッパ全土に広まります。
水道などのインフラが未発達で、冷蔵庫もない時代。質のいい水が手に入れにくく、人々はビールやワインで喉をうるおしていました。エキゾチックな飲み方、それでいてアルコールを含まないコーヒーは「仕事の能率が上がる」「すっきりした頭で議論ができる」飲み物として、商人や学者の支持を受けたのです。
大量生産の時代
列強による植民地支配に伴い、コーヒーはプランテーションでの大量生産の時代に突入します。そして第二次大戦が終わると、コーヒーの消費は大幅に拡大。インフラの発達、インスタントコーヒーの普及などで、コーヒーが世界中で飲まれるようになりました(コーヒーの「第一の波」)。
アレンジコーヒーが支持される
1960年代頃になると、シアトル系コーヒーチェーンをはじめとする、エスプレッソをベースとしたコーヒーが登場します。ミルクやフレーバーなどによるアレンジコーヒーも人々の支持を受けました(コーヒーの「第二の波」)。
サステナビリティ活動が活発に
そして最近、話題を集めているのがサードウェーブ(第三の波)コーヒーです。開発途上国であることが多いコーヒー生産国への配慮から、フェアトレードなどサスティナビリティ活動が活発に。また個性的で高品質な豆を求めて、産地やトレーサビリティを明確にし、焙煎や、1杯ずつの抽出にこだわった「スペシャルティコーヒー」が登場しています。
心も身体も癒すコーヒーの力
さらに、将来は農園からのお取り寄せの可能性など、これまで以上にコーヒーが身近になるといわれています。コーヒーと「健康」に関する研究も数多く実施され、コーヒーを介した「集いの場」作りの動きも始まっているようです。心も身体も癒すコーヒーの力が、次の波では重要なテーマになっていくことでしょう。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-5 コーヒー豆の健康・美容力』より