
プロバイオティクスとして腸をサポート
日本の食卓には、昔から腸にやさしい知恵が詰まっています。その代表が発酵食品です。納豆や味噌、漬物などには善玉菌そのものが含まれ、腸に直接「助っ人」を送り届けることができます。ヨーグルトやチーズなどの乳製品も同じく、プロバイオティクスとして腸をサポートしてくれます。
シンバイオティクスとは
しかし大切なのは、菌を「持ち込む」だけではなく、腸内にすでに住んでいる菌たちにもしっかりエサを与えることです。これがプレバイオティクス。食物繊維やオリゴ糖を一緒にとることで、持ち込んだ菌も、住んでいる菌も元気に働き、短鎖脂肪酸をたくさん生み出してくれるのです。プロバイオティクスとプレバイオティクスによる相乗効果、つまり「シンバイオティクス」は、現代栄養学でも注目されています。

和食で腸を元気に
また、日本人の伝統的な食習慣は「多様性」を重んじています。野菜・魚・豆・海藻・きのこなどを少しずつ組み合わせる和食のスタイルは、腸内細菌にさまざまな種類のエサを届ける理想的な方法です。軟水の日本では、食からミネラルを補う工夫も自然と行われてきました。結果的に、和食は腸を元気に保つ「機能的食文化」とも言えるのです。

発酵と多彩な食卓
日々の食卓に、色とりどりの食材と一品の発酵食品をプラスしてみる――それだけで腸内細菌は喜び、短鎖脂肪酸をぐんぐん増やしてくれます。日本人が長く培ってきた和食の知恵は、まさに未来の健康を守る最先端の腸活術でもあるのです。
栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-13 腸内細菌がみんな元気に!短鎖脂肪酸を育てよう』より





