化粧水を肌にしっかり浸透させることが大切
洗顔後の乾燥を防ぐため、多くの女性は化粧水を使っています。一般的に化粧水を肌につけたあと手のひらで顔を覆ったり、コットンに化粧水をたっぷり染み込ませて肌にのせるなど、じっくり化粧水を浸透させることが推薦されています。
これは化粧水が、ここまでしないと肌に浸透していかないからに他ありません。本来、健康な肌は角層がバリアして、外からの水分は受けつけません。そのため肌に浸透することを謳い文句にした化粧水や化粧品は、アルコールや尿素、界面活性剤を使用して、皮脂を溶かしバリア機能を壊すことで成分を浸透させているのです。
成分が肌に浸透しないと
また、コラーゲンやヒアルロン酸などの保湿成分が入った化粧水は、トロッとしているので塗るだけで肌がしっとりした気になります。しかし、肌に浸透せずに表面に残った水分が蒸発すると、コラーゲンやヒアルロン酸を乾燥させて化粧水に溶かし込んでいる粉末だけが残り、その粉末が肌が自ら作った水分を吸い取ってしまうため、逆に乾燥が進んでしまいます。
天然保湿因子NMF
キメが整ったみずみずしい肌は、角層に15 ~20%水分が含まれていると言われます。ケラチンを含んだ水分を保っているのが、角質細胞にあるNMFという天然保湿因子です(図1)。角層が破壊されるとNMF のバランスが崩れ、肌の乾燥が進み、ますます化粧水を塗らずにはいられない悪循環に陥いります。また、NMF は加齢によっても減少するので乾燥しやすくなります。
■天然の保湿因子NMFとは(図1)
肌本来が持つ保湿成分を作り、角質内に水分を蓄えておく天然保湿因子NMF(Natural Moisturizing Factor)。主成分はアミノ酸で、体内で自然に作られますが、汗をかいたり過度な洗顔などで汚れと一緒に流れ落ちてしまいます。
実は肌トラブルの原因?!
『肌が乾燥しているから化粧水を塗って、化粧水が蒸発しないように乳液やクリームで閉じ込める』。いままで常識だと思われていたスキンケアが、実は肌トラブルの原因(図2)になっているかもしれません。
■カサカサ肌の原因は乾燥ではない?(図2)
肌がカサカサするのは、乾燥だけに限りません。健康な肌でもアレルギーなどの炎症が原因となりカサカサしたり粉をふいたりすることがあります。こうした炎症が原因の場合は原因を取り除き、炎症をおさえるケアが必要になります。
栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-5 美肌菌きれい研究ブック』より