血液サラサラの重要性
血管の障害は血管細胞の老化(劣化)と血液の高粘度化(ドロドロ化)の相乗効果で悪化して行きます。体内で発生した活性酸素が悪玉コレステロールと反応すると血管内膜に粥状の物質が溜まり、血管を狭くして血流を滞らせます。すると狭くなった部分に圧力がかかり、血管内皮細胞が傷ついて出血し、血栓(血の塊)ができます。大きくなった血栓が剥がれて流れ、脳や心臓の血管を塞ぐと脳梗塞や心筋梗塞、狭心症等、生命にかかわる重大な疾患を引き起こします。血液をサラサラに保つことが重大な血管障害の予防に大きな効果をもたらします。
水素と血液
県立広島大学三羽教授の研究室は、ドロドロになった血液をサラサラにする水素の効果を明らかにしました。
赤血球に微量の過酸化水素を加えると、酸化ストレスにさらされた血液の状態を再現出来ます。粘度の高いドロドロの血液は赤血球が連鎖・凝集して劣化した状態です。これを毛細血管を再現したレオロジー(血液流動学)計測装置に流すと、赤血球が凝集してチャンネルの狭い隙間を通過できません(図1上)。あらかじめ水素を投与しておいた赤血球では、同様の酸化ストレスを加えても、凝集が抑制され、スムーズにチャンネルを通過します(図1下)。
さらに、40℃に温めた水素水と、同温の単なる温水に手を10分間浸し、その後の指先の血流量を比較した研究では、水素水では血流量が増大し、温水では血流増大は認められません。このことから水素による赤血球凝集抑制作用が示唆されました。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-21 水素の美容・健康力』より