
加齢と骨粗しょう症
加齢に伴って発症する病気のひとつに骨粗しょう症があります。とくに女性の場合は閉経後のホルモンバランスの乱れによって、骨粗しょう症のリスクが高くなることが知られています。
LPSが骨サイクルを促進
骨は、破骨細胞と骨芽細胞の働きによって代謝・維持されています。この“骨サイクル”と呼ばれる骨の代謝のバランスが崩れると骨粗しょう症が起こりますが、LPSはこの骨サイクルを促進させることが知られています。
LPSによってマクロファージが活性化されれば、高齢の女性でも丈夫な骨を維持することが可能になるわけです。

骨密度の減少率が低いのは
女性ホルモンに似た作用を持つ大豆イソフラボンを含む粉末豆乳にカルシウムを配合したものと、これにLPSを添加した2種類の食品を使用し、40歳以上80歳未満の女性計48名に対する3か月間ランダム化比較しヒト試験を行いました。この結果、LPSを含むものを摂取したグループは、LPSなしのグループと比較して骨密度の減少率が低いことがわかりました。
LPSはテロメアにも作用
また、LPSは細胞の寿命を決定するテロメア※にも作用することがわかってきました。LPSはマクロファージ等の細胞のテロメラーゼ活性を高めるため、これらの細胞を若返らせる可能性があると考えられます。病気に負けない体づくりを助けるLPSは、老化予防にも大きく貢献するのです。

※テロメア 染色体の末端にある染色体を保護する構造物。細胞が分裂するたびに短くなっていく。生殖細胞などではテロメラーゼという酵素があり、テロメアの短縮を防いでいる。
参考文献:
Food Science & Nutrition (2014). (DOI: 10.1002/fsn3.145)/Journal of Leukocyte Biology74:270-276 (2003)

