1000万人の予備軍がいる糖尿病
40歳以上の4人に1人が罹患していると言われている糖尿病は、1000万人の予備軍がいると推計される代表的な生活習慣病※1です。
糖尿病は自覚症状がないのが特徴で、本人が気づかないところで静かに進行し、血管を傷つけ、動脈硬化や網膜症、腎不全などのさまざまな合併症を引き起こします。
糖尿病にはⅠ型とⅡ型があり、Ⅱ型は生活習慣病とも言われ、インスリンの作用不足が大きな原因となっています。
間質液のphとインスリンの関係
インスリンの働きが鈍くなってしまうのは、間質液のpHが関係していることがわかっていて、pHが7.4以下になると酸性に傾きインスリンの作用が阻害されてしまいます(図1)。
マイナスイオンはこの間質液のpHを下げる作用があることから、Ⅱ型糖尿病に対する有効性が期待されています。
■ 間質液と糖尿病の関係(図1)
間質液とは細胞と細胞の間に存在する液体のことで、組織液やリンパ液とも言われます。ブドウ糖(グルコース)は血管を通って身体中に運ばれ、末端の毛細血管から間質液を通して、各細胞へ運ばれます。間質液中のグルコースを測れば、血液を採取せずに血糖測定が可能です。
インスリンの作用不足をマイナスイオンが改善する
愛媛大学の奥田拓道教授らの研究によると、糖尿病ラットの間質液を取り出し、マイナスイオン発生器※2を使ってマイナスイオンを照射したところ、間質液のpHが上昇することが確認されました。
さらにⅡ型糖尿病患者での臨床試験では、30分間のマイナスイオン照射が、間質液pHを上げることで、インスリンの作用を改善するだけでなく血糖値を低下させるという結果も報告されています(図2)。
■ 血糖値に及ぼすマイナスイオン照射の効果(図2)
Ⅱ型糖尿病の患者10名に、30分間マイナスイオンの照射ありと照射なしの群で血糖値を比較したところ、照射あり群の血糖値が有意に低下していることが認められました。これによりマイナスイオンは、細胞間質液のpHを上昇させることで、インスリンの作用を改善することが期待されています。
糖尿病とマイナスイオン
もちろんⅡ型糖尿病の治療には、食事制限や運動などの生活改善が不可欠です。
そのうえで、マイナスイオンの力を付加することにより、スムーズに改善できることはもちろん、気づかずに進んでいく糖尿病の予防としてもマイナスイオンに期待が寄せられています。
※1 平成28年度国民健康・栄養調査より
※2 堀内昇博士の考案による
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-31 マイナスイオンの健康力』より