百歳以上の方の特徴
慶應義塾大学医学部百寿総合研究センターにより、百歳以上の方の特徴として外向性と誠実性が高いことが指摘されています。そのような性格であれば、確かにコミュニケーション不足や孤立には陥りそうにありません。
スーパーエイジャーの脳
さらに、健康長寿を叶えるための魅力的な研究があります。シカゴのノースウエスタン大学医学部では、実際の年齢が80歳以上でありながら脳年齢が20~30歳下の年代と同じレベルにある「スーパーエイジャー」の研究が進められています。対象者の脳を3D スキャンで調べたところ、通常は年を取ると脳が委縮しますが、思考や判断、記憶をつかさどる大脳皮質の厚みに衰えが見られず、脳萎縮のペースも遅いことがわかりました。
スーパーエイジャーの共通する傾向
そして研究チームは、スーパーエイジャーには以下のような共通する傾向があると指摘しています。活動的かつ前向きな性格で、毎日脳を刺激し、読書を好み、新たなことを学んでいる。性格は社交的で家族や友人に囲まれ、地域のボランティア活動にも積極的に参加することが多い。
もちろん、遺伝的な因子も絡んでいるため、誰もがスーパーエイジャーとして人生をまっとうすることはできないかもしれません。けれども、せめてその素晴らしい生活スタイルは参考にすべきでしょう。
わくわく感が脳を活性化
新しいことにチャレンジする、それはリスクを恐れずに未知の体験に足を踏み出すこと。
見通せないことの恐怖よりも、見えないからこそ可能性を感じる。子どものころや若いころは、誰しも見えない明日の連続です。それでも、先に進むことができるのは、きっと良い明日が待ち受けているというわくわく感があるから。
新しいことに挑戦したり学んだりすると、ミトコンドリアが活性化し脳内の神経ネットワークが伸長します。そしてコミュニケーションを軸とする社会的活動は脳の働きを活性化して認知機能の低下を抑制します。
ミトコンドリアを元気にする方法
何歳になってもわくわくする心を忘れない楽しい生活や、周囲との笑顔のコミュニケーションへと導いてくれるのは、元気なミトコンドリアの働きです。そして、そのミトコンドリアを元気にする方法は、今日からのあなたの思考・行動だということをどうぞ覚えておいておください。
【健康長寿の知恵】
●老化は思考と行動でコントロールすることができる
●いくつになっても社会的責任が伴うステージに参加する気構えを
●わくわくしながら新しいことにチャレンジする
●ミトコンドリアを元気にする生活習慣を身につける
栄養書庫発行 : 『ミトコンドリア活性で健康長寿』より