動脈硬化を進行させる原因
肥満のうちでもおなかに脂肪がたまる内臓脂肪型肥満(内臓脂肪蓄積)が動脈硬化を進行させる原因のひとつであることがわかってきました。内臓脂肪蓄積があれば、糖尿病や高脂血症・高血圧などが起こりやすくなり、しかもこれらが重複すると、その数が多くなるほど、動脈硬化を進行させる危険が高まるといわれています。
メタボリックシンドローム
日本では、ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性 85cm女性90cmを超え、高血圧・高血糖・脂質代謝異常の 3つのうち2つに当てはまるとメタボリックシンドロームと診断され、近年では健康診断にも採用されています。「メタボ」と診断されている人は特に、脂肪摂取に関して注意が必要です。
リパーゼの活性を阻害することで脂肪の吸収を抑制
では気になる脂肪の消化吸収の仕組みはどうなっているのでしょうか。胆汁中の胆汁酸により乳化されて分散された脂肪分子は、次に膵液の中に含まれる脂肪分解酵素リパーゼによって脂肪酸とグリセロールに分解されます。
グリセロールは水溶性なので小腸から吸収されますが、脂肪酸は水に溶けないため、さらに胆汁酸の分子に包み込まれ、ミセルと呼ばれる小さな粒子(水溶性)となって小腸上皮細胞から吸収されます。
この、リパーゼ(消化酵素)の活性を阻害することで、脂肪の吸収が抑制されるというわけです。
豚膵臓由来の消化酵素リパーゼ(PL)に対するコタラヒムブツ熱水抽出物の酵素阻害効果に関する研究では、コタラヒムブツにはリパーゼ阻害作用があり、脂肪吸収阻害効果があることが確認されています。
思い当たるものはいくつ?
食事は腹いっぱい食べる、間食をよくする、濃い味付けが好き、脂っこいものが好き、塩辛いものが好き、緑黄色野菜をあまり食べない、ストレス解消にお酒を飲む、階段を使わずにエレベーターなどに乗る、定期的な運動の習慣がない、タバコを吸う、おなかまわりの
贅肉が気になる ……「メタボ」や肥満に悩む人たちにとっては思い当たるものがいくつもあるのではないでしょうか。
体脂肪をためない、体脂肪を分解することがとても重要だといわれていますが、なかなか難しいのが現実です。
有用成分のひとつであるマンギフェリンが脂肪を分解
金沢大学と協和薬品株式会社との最新の共同研究結果では、ヒト脂肪由来幹細胞にコタラヒムブツエキスを処理することにより、培養脂肪幹細胞の成熟脂肪細胞への分化が促進され、同時に脂肪分解が促進されている可能性が示唆されました。現時点では、コタラヒムブツの有用成分のひとつである「マンギフェリン」が関係していると推測されています。
さらに同共同研究結果では、Ⅱ型糖尿病マウス-飲水投与から、血清中性脂肪の低下作用も認められています。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-12 サラシアレティキュラータ コタラヒムブツの秘密』より