安らかな眠りへと誘うプロセス
次々と脳裏をよぎる緊張や心配事、ストレスは、1日の疲れを癒し安らかな眠りへと誘うプロセスを損ないます。寝つきが良くないようなら、その前にまず心身をリラックスさせましょう。
もやもやする雑念を整理するためにいったんノートに書きだしたり、好きな音楽を聴いたりすることも良いでしょう。寝る前にホットドリンクを飲む、ナッツ類や高カカオチョコレートを間食する、香りを楽しむなど、様々な方法があります。
さらに、以下のような方法を試してみることで、緊張をほぐしてぐっすり眠るためのコツを身につけることができます。
就寝前のストレッチ効果
睡眠前に軽くストレッチ運動を行うことで、以下のような効果を得ることができます。
まず血流が良くなり、体温が上昇します。筋肉がゆっくり伸ばされたり、縮んだりしてその周囲の血流が促され、ぽかぽかした温かさを感じることができます。
さらに、筋肉の緊張がほぐれて手先や足先など末端の血流がよくなると、身体は手のひらや足の裏などから熱を逃がすように反応します。これは「熱放散」と呼ばれ、脳を休ませるために必要な働きです。
体を動かすことが少ない夜間には、サーカディアンリズム※を調整するホルモンであるメラトニンが分泌され、体温調節中枢が刺激されて体温を下げるために血管が拡張、皮膚から熱を放散するのです。同時に、体温が下がることで、成長ホルモンの分泌も活発になり、身体の修復や再生も促進されます。
寝る直前の簡単ストレッチ
ヨガのウサギのポーズでは、首の後ろをしっかりと伸ばすことができ、脳の重さ(自重)をかけることで、首周りの筋肉や関節に溜まったストレスを軽減。また、首の後ろの凝りを解消し、脳への血流を改善し安眠へと誘います
最後に腹式呼吸で安眠へ
睡眠前のストレッチは、このように安眠に誘うためのさまざまなメリットをもたらします。その最後にゆっくりとした腹式呼吸を加えると、心身はさらに自然にリラックス。眠れずに横になっているときは、まず10回ほど腹式呼吸するだけでも呼吸が緩やかになり穏やかな気持ちになり、安眠を促すことができます。
※サーカディアンリズム 約24時間周期で起こる精神的・身体的状態の規則的な変化のこと。食事、排せつ、睡眠、覚醒、体温、ホルモン分泌など、あらゆる機能に影響を与えています。
栄養書庫発行 : 『ミトコンドリア活性で健康長寿』より