
インターミッテントファスティング(16:8)は、以下のような要因により認知機能の改善や変性神経疾患のリスクを低減する可能性があります。
❶脳由来神経栄養因子(BDNF)の増加※1
16時間断食は、脳内でBDNFの分泌を促進します(50~400%増)。BDNFは神経細胞の成長や維持に重要な役割を果たし、学習能力や記憶力の向上に関連しています。絶食期間がBDNFの発現を増加させ、神経保護効果をもたらすことが報告されています。
❷オートファジーの活性化
断食期間中、細胞内でオートファジーと呼ばれる自己浄化プロセスが活性化されます。このプロセスにより、老廃物や損傷した細胞成分が除去され、細胞の健康が維持されます。オートファジーの活性化は、加齢に伴う脳の老化を遅らせ、認知機能の低下を防ぐ可能性があります。
❸インスリン感受性の向上※2
インスリン感受性を改善し、血糖値を安定させる効果があります。高血糖やインスリン抵抗性は認知症リスクを高めるのですが、インスリン感受性の向上により、認知症のリスクが軽減されると考えられています。
※1DOI:10.1146/annurev.nutr.25.050304.092526
※2DOI:10.1093/ajcn/81.1.69.
▶ 認知機能の活性化
キングスカレッジロンドン神経科学研究ジゼル・ペレイラ博士らの研究によれば、インターミッテントファスティングは長期記憶の固定化、海馬の神経新生、長寿遺伝子Klothoの発現を促進、認知機能を高めることが明らかになりました。

(下記グラフ)マウスを3群(通常食、低カロリー食、インターミッテントファスティング)に分け、3カ月後に海馬の遺伝子全体を解析したところ、通常食、低カロリー食に比べて、インターミッテント実施グループは約4倍のKlotho発現が見られました。他にも海馬のBrdU標識細胞(生体組織内で増殖中の細胞を検出するための指標)と神経芽細胞の数を増加させるなど、認知機能に及ぼす効果が確認されました。


インターミッテントファスティングにより長寿遺伝子Klotho発現が上昇した
栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-9 あなたのカラダ、ドラマチックに変化 インターミッテントファスティング』より
