
私たちの“ふつう”は一人ひとり違う
2012年にまとめられたヒトマイクロバイオーム計画(HMP)では、健康な人どうしでも腸・口・皮膚などの菌叢が驚くほど多様で、しかも部位ごとの“町並み”が違うことが地図のように可視化されました(Nature2012 Human Microbiome Project)。私たちの“ふつう”は一人ひとり違う――この視点が、いまの腸活を支える土台です。
マイクロバイオームは町
マイクロバイオームを一言でいえば、私たちと共生する小さな住民たちの町と、その営み。腸や口、肌、鼻腔、女性では膣など、からだのあちこちに“商店街”のようなコミュニティがあり、住民は細菌・真菌・ウイルスまで実に多彩です。

大切なのはバランス
腸の町では、発酵屋さん(食物繊維を短鎖脂肪酸に変える)、清掃員(老廃物の片づけ)、警備員(腸のバリアを支える)などの様々な役割の腸内細菌が協力して秩序を守っています。
大切なのは「良い菌・悪い菌」という単純な区分ではなく、町全体のバランスです。夜ふかしが続けばシャッター街のように活気が落ち、発酵屋さんが減れば代謝が滞る。逆に、食物繊維が豊富で決まった時間に食べる日が続けば、商店街はにぎわいを取り戻します。
短鎖脂肪酸がカギ
この町の経済を回すお金にあたるのが短鎖脂肪酸(酢酸・酪酸・プロピオン酸)。腸の環境を整え、免疫や代謝、脳の働きまで連鎖的に調整、全身の健康を支えます。さらに腸内細菌どうしのバランスも整え、病気のなりにくさにも関わっています。

NIH(米国国立衛生研究所)が2007年にスタートさせた大型プロジェクト。
健康な人の体のどこに、どんな微生物がどれだけいるのかを明らかにしました。
栄養書庫発行 : 『よくわかる健康サイエンス-15 そうだったのか!マイクロバイオーム』より















