脳に溜まるアミロイドβ
認知機能の低下や人格の変化などを主な症状とするアルツハイマー病。専門家の意見では65歳以上の日本人の10%、およそ242万人に達しているといいます。
アルツハイマー病の病因は、老人斑を構成するアミロイドβという不溶性たんぱく質が脳に溜まり、神経原線維に変化が生じ、神経細胞死に至ることで認知機能の低下などが引き起こされると考えられています。
マクロファージ活性で抑制
アミロイドβは誰の脳にもできていて、早い人では40歳代から蓄積が始まるともいわれていますが、通常は脳内のマクロファージ※であるマイクログリアが捕食して取り除いてくれています。マクロファージの機能を活性化させることで、アルツハイマー病は抑制できる可能性もあるわけです。
LPSによってアミロイドβ貧食能を高める
アミロイドβができやすいように遺伝子操作したマウスに、低分子量のLPSを腹腔内投与する実験によると、マイクログリアのアミロイドβ貪食能が、LPSによって高まることがデータ上で明らかになりました。もちろん、脳の老人斑も抑制されることが確認されています。
アルツハイマー病は予防できる病気になる可能性
現在のところ、アルツハイマー病は症状を遅らせる治療しかありません。
しかし、LPSによって近い将来、アルツハイマー病は“予防できる病気”になるかもしれません。
※マクロファージ 白血球に分類される免疫細胞のひとつ。
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-3 パントエア菌LPSの秘密』より