活性酸素がさまざまな健康被害をもたらす
私たちの体は酸素を取り込んでエネルギーを作り出していますが、酸素を利用する際に常に体内で活性酸素が生じています。この活性酸素が過剰に発生すると細胞を傷つけ、さまざまな健康被害をもたらします。活性酸素は体内の酵素によって分解されますが、こうした抗酸化力は加齢によって衰えていきます。
脳の老化が認知症を招いてしまう酸化
脳の重さは体重のわずか2%に過ぎないのに、酸素消費量は体全体の4分の1を占めています。呼吸のたびに吸い込む酸素の約25%を脳が消費するため、他の臓器に比べて酸化が激しく、これが脳の老化=認知症を招いてしまう一因と言われています。
マイナスイオン療法
マイナスイオンはこうした活性酸素を無毒化するという作用により、老化による認知症の改善に役立つと考えられています。マイナスイオン療法の臨床例でも数多くの改善例が認められています。
脳の老化を予防するのに期待
玉川大学の寺沢充夫教授らが行った研究では、マイナスイオン環境とプラスイオン環境に曝露したラットで、それぞれの学習能力や脳脂質の過酸化反応を調べた結果、マイナスイオン曝露のマウスの学習効果が上がりました(図1)。さらに、脳脂質の酸化も低くなっていることが報告されています(図2)。このことからもマイナスイオン環境下では、脳の老化を予防する効果があると期待されています。
■ マイナスイオンにより学習能力が向上(図1)
1日に30分間、マイナイスイオン環境に曝露したラットとプラスイオン環境に曝露したラットで、1時間あたりに獲得したエサの量を比較したところ、実験日数が増すにつれ、マイナスイオン環境に曝露したラットのほうがエサを獲得する量が多くなっていることが判明しました。
■ マイナスイオンにより抗酸化力が高まる(図2)
1日2時間、マイナスイオン環境とプラスイオン環境に曝露したラットのグループの脳幹と大脳における過酸化脂質の反応を比較したところ、マイナスイオン環境における平均値が有意に低い結果になりました。
アンチエイジング効果にマイナスイオン
日本の高齢者人口は2021年9月現在で3540万人(人口比率29.1%)※。2025年には高齢者の5人に1人が認知症になるという推計もあります。マイナスイオンは認知症にかぎらず、すべての加齢による衰えに対する予防=アンチエイジング効果に対しても大きな注目を集めています。
※平成29年 高齢社会白書より 「第1章 第2節 3 高齢者の健康・福祉」より
栄養書庫発行 : 『Nutrient Library-31 マイナスイオンの健康力』より