太陽のキノコと呼ばれるアガリクス
アガリクスは南米ブラジル原産の薬用キノコで、学術名を
Agaricus brasiliensis(A. blazei, A. subrufescens)
と言います。原産地ブラジルでは、強烈な太陽の下で生えてくる生命力の強いキノコとして「太陽のキノコ」と呼ばれています。
別名神のキノコ
天然のアガリクスは地中の栄養素をたっぷりと吸収して育つため、一度収穫した場所から再び生えてくることは滅多になく、その神秘性や高い薬効などから「神のキノコ」という別名もあるほどです。
アガリクスの薬効
アガリクスの薬効に関しては幅広く研究が行われ、免疫増強作用、抗腫瘍効果、抗がん剤の副作用軽減効果や平均寿命の延伸、育毛・美肌など美容に関する分野まで、多くの効果が報告されています。しかしその有効性や安全性は、産地や栽培方法によって大きく異なります。
天然に最も近い露地栽培アガリクス
現在、天然のアガリクスはほとんど採ることができず、「露地栽培」、「ハウス栽培」、「菌糸体のタンク培養」といった方法で栽培されています。その中でも、天然に最も近いとされるのが、太陽の光を浴びて育つ【露地栽培アガリクス】です(図1)。
露地栽培アガリクスとは
露地栽培アガリクスは、栄養成分が豊富で有効性も高い反面、天候の影響を受けるなど栽培が非常に難しく、ブラジルのごく一部の農場でしか栽培することができません。収穫量も少なく市場にはあまり出回らないため、希少性が高いことも特徴の一つです。
➡アガリクスは産地・栽培方法で有効性などが異なる薬用キノコ
■アガリクスの栽培方法(図1)
アガリクスは産地と栽培方法の違いによって、その栄養価の高さや有効成分の量に大きな差があります。現在、天然のアガリクスはほとんど採れず、露地栽培アガリクスが最も天然に近い栄養成分を持っています。
◉露地栽培アガリクス(ブラジル)
天然のアガリクスと同じく、大自然の中、日光を浴びる状態で行うのが「露地栽培」。
見た目も大きく、栄養成分が豊富で有効性も高い反面、栽培が難しく希少性が高い。
◉ハウス栽培アガリクス(ブラジル、日本、中国、アメリカなど)
一般的なアガリクスの栽培方法。
日光を遮った人工的な環境で栽培されるため、小ぶりで栄養価も低い。
◉菌糸体のタンク培養(日本)
キノコの根っこの部分にあたる菌糸体をタンクで培養する方法。場所を取らずに低コストで培養できるが、安全性データなどに乏しく、現在はあまり行われていない。
栄養書庫発行 : 『栄養書庫フォーカス-5 奇跡の成分 露地栽培アガリクス』より